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事故物件を手放したいと思っても、「仲介と買取、どちらを選べばいいのか」と判断に迷われる方は多くいらっしゃいます。少しでも高く売りたいという気持ちがある一方で、「いつ売れるかわからない不安」や「清掃費用を先に用意できるのか」「近隣に知られずに済むのか」など、考えなければならないことは一つではありません。
事故物件の売却方法には大きく「仲介」と「買取」の2種類がありますが、状況を整理しないまま仲介を選んでしまうと、想定外の清掃費用がかかって費用倒れになったり、買い手がつかないまま数ヶ月が過ぎてしまったりと、結果的に損をするケースも少なくありません。
本記事では、孤独死・自殺・他殺など事故物件となった経緯を問わず、物件の状態やご自身の状況に合わせて「仲介と買取のどちらを選ぶべきか」をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 事故物件の売却で「仲介」と「買取」のどちらを選ぶべきかの判断基準
- 仲介で売ろうとした場合に直面しやすい5つの壁とリスク
- 仲介・買取それぞれの売却相場の目安と、買取が選ばれる理由
- 特殊清掃・リフォーム・お祓いを事前に行うべきかどうかの考え方
- 費用倒れや売却後のトラブルを避けるための売却方法の選び方
目次
事故物件は仲介と買取のどちらを選ぶべき?状況別の判断基準

仲介と買取のどちらが向いているかは、室内の状態と売却にかけられる時間・費用によって決まります。まずは、それぞれに適した物件の条件を確認しましょう。
1-1. 買取を選ぶべき事故物件の条件
次のいずれかに当てはまる場合は、「仲介」では時間と費用だけがかかってしまうリスクがあるため、専門業者による「買取」を検討することをおすすめします。
① 室内の状態が悪い、または遺品・残置物が多く残っている
遺体の発見が遅れたことで臭いや汚損が残っている物件、大量の家財道具がそのままになっている物件は、一般の買主に敬遠されやすく、仲介での売却がさらに難しくなります。かといって、売却前に特殊清掃や片付けを手配しようとすれば、まとまった費用と時間がかかります。
買取であれば、清掃や遺品整理を済ませていない状態でも引き渡し可能な業者が多く、売却前に費用や手間をかけることなく物件を手放せます。
② 近隣に事情を知られたくない
仲介では物件情報をインターネット上に広告掲載するため、知人が物件を特定して事情を知るリスクがあるほか、不特定多数の方が内見に訪れることで、近隣に「あの家で何かあったらしい」と気づかれてしまう可能性もあります。
そのため、「誰にも知られずに物件を手放したい」という場合は、広告活動を行わない買取の方が安心です。
③ とにかく早く売却したい
遠方から何度も通う手間や、「いつ売れるかわからない」という不安は、ご遺族にとって大きな負担になります。
買取であれば、査定依頼から引き渡しまで数日~数週間で完了することも多く、早期に物件を手放して気持ちの区切りをつけたい場合に向いています。
1-2. 仲介で売れる可能性がある事故物件の条件
一方で、次の条件がそろっている場合は、仲介でも売却できる可能性があります。
① 発見が早く室内に臭いや汚損が残っていない
早期に発見されて室内にニオイや汚損が残っていない場合は、買主が物件に対して抱く心理的な抵抗感(心理的瑕疵*)が比較的小さくなります。
特殊清掃が不要な場合であれば内見に進んでもらえる可能性も高まり、売却価格への影響も、発見が遅れたケースと比べて押さえられる傾向にあります。
*心理的瑕疵:過去に事件や事故、孤独死などが起きた物件が持つ、精神的・心理的な問題のこと。法律上、売主には過去に起きた事故の事実を買主へ告知する義務があります。
② 立地が良く需要が見込めるエリアにある
都心部や駅近など、利便性の高いエリアにある物件であれば、事故物件であっても一般の仲介で買主が見つかる可能性があります。
投資目的で物件を探している買主は、心理的瑕疵によるマイナス面よりも収益性を重視し、価格の割安感や利回りをメリットと捉えることも多いためです。
立地条件がいいほど、心理的瑕疵による価格の下落幅も小さくなり、物件を求める買主との価格交渉もまとまりやすい傾向にあります。
③ 時間と資金に余裕がある・少しでも高く売りたい
仲介での売却は、買い手が見つかるまでに数ヶ月以上かかることも珍しくありません。その間、物件の維持費や内見対応の手間が継続的に発生するため、時間的にも資金的にも一定の余裕が必要です。
売却活動に伴う負担を許容したうえで、それでも少しでも高い価格で売却したい場合は、買取よりも相場に近い価格を狙える「仲介」を選ぶ意味があるでしょう。
事故物件を「仲介」で売る際に直面する5つの壁とリスク

仲介による売却は、集客・交渉・資金・期間・売却後と、それぞれの場面で異なる問題に直面します。
また、最終的に売却できたとしても法的なリスクが残るケースもあるため、どのような課題があるかを事前に把握しておくことが重要です。
2-1. 【集客の壁】心理的抵抗感から内見が入らない
仲介での売却では、そもそも内見希望者が現れず、買い手を見つける入り口の段階でつまづくことになります。
特殊清掃を要する孤独死や、自殺・他殺の起きた物件を売却する場合、国土交通省のガイドラインにより、買主に対して事実を告知する義務が生じます。事実を事前に告知することで、一般の買主、特にファミリー層は心理的な抵抗感から、購入の検討自体を辞めてしまうことも少なくありません。
2-2. 【交渉の壁】値下げ交渉が入りやすい
運よく内見者が現れて購入の検討に進んだとしても、価格の折り合いがつかずに契約が見送られることがあります。
「事故物件は通常の物件よりも安く買える」という認識が買主側に広まっているため、売主の希望価格に対してさらなる値下げ要求が入りやすくなります。結果として、当初の想定を大きく下回る価格での売却を余儀なくされるケースも少なくありません。
2-3. 【資金の壁】買主の住宅ローンが通らない
価格に合意して契約を締結できても、住宅ローンの審査が通らず契約が白紙に戻り、また一から買い手探しをやり直さなければならないリスクがあります。
事故物件は将来的な売却や賃貸への懸念から、金融機関の担保評価が低く見積もられる傾向があり、融資額が抑えられたり、そもそも融資自体を断られたりすることも珍しくありません。
結果として、購入できる層が「現金で買える人」に絞られ、買い手の母数が極端に少なくなるため、売却活動がさらに長期化しやすくなるのです。
2-4. 【期間の壁】売れ残りで維持管理の負担が長引く
集客・交渉・資金においてつまずきやすいことから、事故物件の売却活動は数ヶ月から年単位で長期化することもあります。
買い手がつかない間も、誰も住んでいない物件の水道光熱費や固定資産税といった維持費を払い続けなければならず、遠方にお住まいであれば、定期的な換気や・清掃のために通う交通費や手間も継続的に発生します。
売却の目途が立たないまま維持費だけがかかり続ける状況は、ご遺族にとって継続的にも精神的にも負担が大きいものです。
2-5. 【売却後】契約不適合責任を問われる可能性
仲介で無事に売却できた後も、買主から損害賠償を請求されたり、最悪の場合は契約解除を求められたりする法的リスクが残ります。
事故物件の場合、引き渡し後に気温や湿度の変化によって死臭が再発したり、新たな汚損が発覚したりする場合があります。その場合、民法上の「契約不適合責任」を問われる恐れがあり、特殊清掃のやり直し費用やリフォーム代、買主の仮住まい費用などを売主が負担しなければならないケースもあります。
物件を手放した後も、「いつ請求が来るか分からない」という状況に置かれる点は、仲介を選ぶ際に見落としがちなリスクのひとつです。
事故物件の売却相場と「買取」が選ばれる理由

事故物件の売却において、「実際にいくらで売れるのか」は重要な判断基準です。専門業者による買取は、仲介に比べて売却価格が下がる傾向にありますが、それでも多くのご遺族に選ばれる理由があります。
ここでは、仲介と買取でそれぞれどれくらい価格が下がるのかという相場の目安と、安くなってでも「買取」が選ばれる理由を解説します。
3-1. 【仲介の相場】通常価格の1~5割減が目安
不動産会社を通じて一般の買主を探す「仲介」の場合、事故の状況にもよりますが、売却相場は通常価格の1~5割減が目安です。これは、買主が物件に対して抱く心理的な抵抗感が価格に反映されるためです。
一般的に、発見が早く特殊清掃が不要な孤独死の場合は通常相場の1~2割減、発見が遅れ特殊清掃が必要となった場合は2~3割減が目安です。また、自殺や他殺など事件性が高いケースでは、心理的抵抗感がより強くなるため、3~5割減まで下落することもあります。
ただし仲介の場合、この相場価格で売り出しても買い手がつくとは限らず、確実に売却できる保証はありません。
3-2. 【買取の相場】仲介相場から清掃費や修繕費が差し引かれる
専門業者に直接買い取ってもらう「買取」の場合、提示される買取価格は上記の仲介相場よりもさらに安くなります。
これは「リフォーム後に一般市場で売れるであろう価格」から、業者が負担する特殊清掃やフルリフォームの費用、再販時の在庫リスク分が、あらかじめ差し引かれて算出されるためです。
このように、売却価格自体は下がってしまいますが、それでも多くのご遺族が「買取」を選ぶのには、次で解説するような大きなメリットがあるからです。
3-3. 【買取のメリット】事前の出費や売却後の不安をなくせる
売却価格は仲介に比べて下がりますが、その分、事前の持ち出し費用と売却後の賠償リスクをともになくせるという点で、「買取」はご遺族にとって大きな意味を持ちます。
まず、買取では物件を現状のまま引き渡せるため、仲介での売却では避けられない特殊清掃費用やリフォーム費用を、売主が事前に負担する必要がありません。特殊清掃やリフォームの費用は、間取りや汚損の程度によっても異なりますが、平均して80万円前後、状況によっては100万円を超えることもあり、買取を選ぶことでその負担がそのままなくなります。
加えて、仲介会社を介さないため仲介手数料も不要で、売却前にまとまった資金を準備できない状況でも手続きを進められます。
さらに、買主が不動産のプロであることから、契約時に、売却後の契約不適合責任を免責とする特約を盛り込むのが一般的です。仲介では避けられない引き渡し後のトラブルや損害賠償リスクを、あらかじめ回避できる点も買取のメリットです。
売却前の清掃・修繕・お祓いはどこまで必要?

事故物件を売却するにあたり、「少しでも高く売るためにどこまで手を入れるべきか」「事前にお祓いをしておいた方がよいのか」と悩まれるご遺族は多くいらっしゃいます。
しかし、仲介と買取のどちらで進めるかによって、事前準備にかけるべき費用と手間の判断は大きく異なります。良かれと思った事前投資が費用倒れに終わるリスクを避けるために、清掃・修繕・お祓いをすべきかの判断基準を知っておきましょう。
4-1. 特殊清掃やリフォームの事前投資は費用倒れになりやすい
仲介を通じて一般の買主を探す場合、内見時の印象を良くするために、汚染の根本原因を除去する本格的な特殊清掃や、床材・壁材の交換を伴うリフォームまで売主が負担するケースは少なくありません。
しかし、どれほど室内を整えたとしても、過去にそこで人が亡くなったという客観的事実は消えるわけではなく、買主への告知義務も引き続き生じます。心理的瑕疵がある以上、事前にかけた費用を売却価格に上乗せして回収できる保証はなく、結果的に費用倒れになるリスクが高くなります。
買取の場合は、業者が自社の費用で清掃やリフォームを行って再販することを前提に査定を行うため、ご遺族が原状回復のための費用を事前に負担する必要はありません。
ただし、臭気が強い場合や汚損が広範囲に及んでいる場合は、売却方法にかかわらず、近隣トラブルや建物の腐敗を防ぐための応急処置として、「一次処理」を業者に依頼することが必要になるケースがあります。
一次処理は遺体痕の清掃や除菌・害虫駆除などの初期対応にとどまるため、数万〜十数万円程度で済みます。本格的な特殊清掃や原状回復工事とは切り分けて考えましょう。
4-2. お祓い・供養をしても査定額は上がらない
事前にお祓いや供養を済ませておけば、告知義務がなくなったり査定額が上がったりするのではと期待される方もいらっしゃいます。しかし、不動産評価や告知義務の判断基準はあくまで「人の死が起きた」という客観的事実であり、お祓いの有無によって心理的瑕疵や告知義務が免除されることはありません。これは買取を依頼する場合も同様です。
とはいえ、お祓いや供養は、ご遺族自身の心の整理や個人を弔うための大切な儀式です。査定額への影響を期待して行う必要はありませんが、気持ちの区切りとして行うこと自体は、何ら問題ありません。
なお、事故物件を専門に扱う買取業者の中には、遺品整理や特殊清掃に加え、提携する僧侶による供養までをワンストップで対応しているところもあります。お祓いや供養を希望される場合は、こうしたサービスを活用してもいいでしょう。
事故物件を売りたいなら専門の買取業者へ相談を

事故物件を売りたいときの売却方法選び方まとめ
- 室内の状態が悪い・近隣に知られたくない・早期売却を優先したい場合は、専門業者による買取が向いている
- 発見が早く室内状態が良好で、立地条件が良く、時間と資金に余裕がある場合は、仲介での売却を検討する価値がある
- 仲介では集客・交渉・資金・期間・売却後の契約不適合責任と、売却活動のあらゆる場面で問題が生じやすい
- 仲介のために本格的な特殊清掃やリフォームを事前に行っても、費用を回収できる保証はなく費用倒れになるリスクが高い
- 買取は売却価格が下がる一方、事前費用・仲介手数料・売却後の賠償リスクをまとめて回避できる
事故物件を「仲介」で売り出しても、買い手がつかないまま維持費がかかり続けたり、高額なリフォームが費用倒れに終わったりするリスクがあります。
売却前の費用負担も、売却後の法的リスクも、まとめて回避した上で早期に手放したいなら、現状のまま買い取れる専門業者への相談が現実的な選択肢です。
手放すかどうか迷っている方も、まずは「売ればいくらになるのか」を知ることが大切です。
売却額を把握すれば、次の一歩をより現実的に考えられます。
ラクウルの査定エキスパートがお客様の大切な不動産を正確に評価いたしますので、以下の無料査定フォームからお気軽にご相談ください。
この記事のまとめQ&A
事故物件は仲介と買取のどちらを選ぶべきですか?
室内の状態や売却にかけられる時間・費用によって異なります。状態が悪い、早く売りたい、周囲に知られたくない場合は買取が適しており、状態が良く時間や資金に余裕がある場合は仲介が検討できます。
事故物件を仲介で売るとどのようなリスクがありますか?
内見が入りにくい、値下げ交渉が多い、住宅ローンが通らない、売却が長期化する、売却後に契約不適合責任を問われる可能性があるなど、複数のリスクがあります。
事故物件の売却価格はどれくらい下がりますか?
仲介の場合は通常価格の1~5割減が目安です。買取の場合はさらに、特殊清掃やリフォーム費用、再販リスク分が差し引かれるため、仲介より低い価格になります。
売却前に特殊清掃やリフォームは必ず必要ですか?
必ずしも必要ではありません。仲介では実施するケースもありますが費用倒れのリスクがあります。買取であれば現状のまま引き渡し可能なため、事前の費用負担は不要な場合が多いです。
事故物件を早く安全に手放す方法はありますか?
専門の買取業者に依頼する方法が現実的です。現状のまま売却でき、事前費用や仲介手数料が不要で、契約不適合責任のリスクも回避できるケースが多く、短期間で手放すことが可能です。



